
早起きしてアーチーズ国立公園へ。モアブの町のすぐ隣という感じです。入り口を入るとすぐにビジターセンターがあり、くねくねした急坂を上ると、その向こうに目的の公園が広がっています。
「アーチーズっていう位だから、アーチがごろごろあるんでしょう?」
しかし見えたのはものすごい迫力の巨岩たち。3人の人が集まっているような形のスリーゴシップ、羊みたいなシープロック…これらも感動的ですが、期待していたのとは違うような?
「もうすぐバランス・ロックが見えるよ」
バランス・ロック?どれどれ?うーん、あちこちの岩が皆バランス・ロックに見えます。と思っている内に標識がありました、到着です。思ったよりも大きいです。回りを歩くトレイルがあったので、行ってみました。朝早いせいか誰もいません。
これのすぐ隣に、バランス・ロックの小さい版の岩もあったのですが、嵐の時に崩れてしまったそうです。なのでこのバランス・ロックが崩れるのも時間の問題とか。そうしたらここは、バランス・ロック跡地になるんですかね?



次に向かったのはアーチーズ国立公園のメイン?、デリケートアーチです。でもこれは往復2〜3時間のトレイルを歩かないと見れません。もちろん行きます。まずは出発前に駐車場のトイレへ…水洗ではありませんでした。便器の中は真っ暗で底が見えず、冷たい風が吹いていました。怖い〜。手を洗う場所も無かったので、雪で手を洗いました。寒っ。水が来てないみたいです。
「デリケートアーチって午前中は逆光になるってガイドブックに書いてあるよ」
「じゃあ、反対側に回って撮れば良いじゃん」
夫のこの言葉が絶対に不可能であることは、実際にそこに到達した時に判明しました…。
いよいよデリケートアーチに向けて出発です。私たちの他には車は1台だけ、アジア人のカップルのようで、先に出発して既に姿が見えなくなっていました。
「よーし、張り切って行くぞー!」
小さな橋があり、しばらくは野原のような道が続きます。辺りには少しだけ雪が積もり、空は雲が一面に覆っていて太陽は見えません。小山を越える頃には、体が温まってポカポカしてきました。途中からは道無き道になり、岩の上を歩いたり、雪が積もって凍っていたりと、なかなかハードです。
そして面白いと思ったのは、このトレイルの目印。平たい石が積まれていて、それを探しながら歩いていきます。何せ他に歩いている人がいなかったので、前の人に着いていくということが出来ず、目印を探してキョロキョロすることもありました。
「いたずらする人とかいないのかな。そんなことしたら洒落にならないか」
「レンジャーが時々チェックしに来るんじゃないの?」
気分はまさに、子どもの頃の冒険。後から来たアジア人カップルに追いつかれた頃には、私たちも前のカップルに追いついて、皆でデリケートアーチ目指して歩きました。
「うわ、滑るよー」
地面(の上の氷)がツルツルしてます。スペースは人が2人歩ける程度、右は岩壁。岩壁寄りは氷がなかったので、壁を伝いながら歩きました。時々壁に流れた水が氷っていて手が冷たいです。
「おー」
右の壁が切れた途端、デリケートアーチの姿が見えました。私は勝手に、写真などを見て、デリケートアーチは平らな野原や岩場にあるのだと思っていましたが、実は岩山の上、足下は斜め、その先は絶壁でした。
「逆光なら反対に回れば良いって…反対なんて行けないじゃない!」
幸い曇っていたので逆光問題はありませんでしたが、デリケートアーチの向こうは崖です。写真だとよく分かりませんが、アーチに向けて傾斜していて、例えばボールを置いたらものすごい勢いで転がって崖の下に落ちていく、くらい斜めになっています。(もちろん柵なんてありません。)こんな高所でなければ平気ですが、もし足を滑らせたらと思うと、緊張に体が…。
そしてこのデリケートアーチ、行きはよいよい帰りは怖いでもあったのでした。
デリケートアーチを満喫し、そろそろ帰ることにしました。他のアジア人カップル達(全員中国人でした)はまだ写真を撮っています。先ほどの地面の氷った狭い通路、今度は左側が岩壁になるのですが、何故か先ほどと違って歩きにくい!右利きの故でしょうか、行きのように壁寄りを歩けません。
「滑る〜」
と、何と向こうから白人女性が1人でやってきました。うわ、ここで擦れ違うのかい。でも仕方がありません。出来るだけ壁に寄って道を空けました。
「大丈夫〜?」
私のへっぴり腰を心配されてしまいました。え、ええ、何とか。
ようやくそこを抜けても、氷っている下り箇所が続きます。上りは平気だったのに、下りはツルツルして怖いこと、怖いこと。
「滑るよ〜」
「出来るだけ足を平らに下ろして、面積を増やせば滑りにくいよ」
夫がそうアドバイスしますが、滑るものは滑ります。
「あっ!」
ツルンと両足を取られ転倒、氷っていたので滑って頭が地面に触れるくらいまで横になりました。そして何故か前にいた夫は私の膝の上にお座り。
「イターイ、ひどーい」
涙を流しながら2人で大爆笑。ここまで派手に転ぶとは。
「何で支えてくれないのー?自分は私の上に乗っかるしー」
「足にタックルされたら転ぶってば」
幸い服も全く汚れず(完璧に氷ってましたから)、無意識に防御の姿勢を取ったのか?夫と手を繋いでいた右腕の肘にカサブタが出来ただけで無傷でした。いやはや、誰も見ていなくて本当に良かったです。
トレイルの最後にまた岩絵を見ました。馬に乗っている人と鹿でしょうか。
車に戻ると12時過ぎ…2時間半近く歩いていたようです。日頃の運動の成果か、足には来ませんでしたが、傾斜が多くて腹筋を使ったのか、翌日、横っ腹が痛かったです。
車で行けるデリケートアーチのビューポイントをチェック。遠くに小さ〜くアーチが見えました。あそこにいたんですねー。下りてくる時に擦れ違った人たちは、今あそこにいるのでしょうか。
その後、時間がないのでデビルス・ガーデンは諦め、ウィンドウ・セクションでいくつかアーチを見ました。今度は雪のない時に、じっくりと全てのトレイルを制覇してみたいです。
「お昼どうする?」
「ハンバーガーはもう飽きた。タコベル行きたい」
「モアブにあるかなー」
私たちにはカーナビという強い味方が付いています。近辺のレストランで検索すると、しっかりタコベルがありました。カーナビの指示に合わせ、車を進めます。
が、着きましたの合図があっても、タコベルがありません。2周したけれどやっぱりありません。
「もしかしてつぶれた?」
そう言われると、それらしきお店があります。そんなーーー。
「マクドナルドで良い?」
ガッカリ…でも時間がないので仕方ありません。次はキャニオンランズ国立公園に行かないとならないのです。
ドライブスルーでチーズバーガーを食べながら、カーナビにキャニオンランズ国立公園をインプット。???3分で着くとな?そんなに近くないでしょう。???カーナビの地図だと、モアブの町内にあるみたいです。
「何だこれー。モーテルじゃないんだぞ?」
おかげで町をうろうろしちゃいました。カーナビのデータが間違っていたのだと思います。こんなこともあるんですね、カーナビ2連敗。
キャニオンランズ国立公園にやってきました。
まず真っ先に行ったのはトイレです<オイ。タコベルのお店で食べようと思ったら、マクドナルドのドライブスルーになってしまったため、トイレに入れなかったのです。そしてここのトイレも、水洗ではなくて、便器の中は真っ暗、底見えずでした。ここらへんは水が来ていないのでしょうか?ザイオンの暖房トイレが懐かしいです。
でもここでは1つ発見がありました。手を洗う代わりに、サニタリーのジェルがあったのです。説明を読むと、ジェルを手で擦り合わせるだけで、水やティッシュを使わなくても手が綺麗になるそうです。試したところ、すぐに蒸発しました。よくお弁当に付いている、小さく折られた手拭きがありますが、あれと同じ匂いがしました。でもトイレの後は水で手を洗いたくなりましたが…習慣ですね。
さて、この公園はオフロードで有名なのですが、それは時間がないので、アイランド・イン・ザ・スカイというビュー・ポイントだけ観てきました。グランドキャニオンをしのぐ景観と聞きましたが、本当にある意味、グランドキャニオンを超える雄大さでした。ああ、写真では全然あの感動が伝わりません。見渡す限りずっと続くこの景色は、どうしようもなく絶望的でもありました。
「そろそろ行かないとまたモーテルに入るのが遅くなるよ」
ここから今日の宿泊地、デュランゴまでは4時間以上かかるのです。
無事モーテルにチェックイン、部屋が寒いです。暖房が壊れていると言いに行ったら、温風が出るまでに20分かかると言われました。じゃあ夕食をして帰ってきたら暖まっているかなと、町の中華屋さんへ行くことにしました。もうお肉は飽きました。
「ワンタンスープと、シーフード硬焼きそばと…」
いつも家の近所の中華屋さんで食べている、お気に入りの味を思い出してオーダーしました。しかし出てきたのは、
「ワンタンスープっていうか、ワンタンも入っているスープ??」
ブロッコリーなどの野菜がどっさり、近所の中華屋さんでは使われていないクワイまで入っていて驚きました。
「へえ、ここらへんじゃ使うんだねえ」
反対に、近所の中華屋さんでよく使われている青梗菜は入っていません。そして硬焼きそばは、
「うどん…?」
一応焦げ目はありましたが、これは違うでしょう。具はワンタンスープで使われていた物に、エビや偽カニが…。
「やられた。CAのつもりで頼んじゃダメだった」
ああ〜、スキーリゾートの観光地でもこれなんですね。
おまけに部屋に帰ったら突然の腹痛、嘔吐、どうやら私がアレルギーの山芋が使われていたようです。夫が心配しておろおろしていましたが、私は吐いたらスッキリ。それよりも、温風が出ても1時間に1度しか温度が上がらない部屋の暖房にムカムカでした。早くチェックアウトしたーい。